私たちは、「氷河期の生き残り」といわれるエゾナキウサギを絶滅の危機から守るために活動している団体です。


本日付北海道新聞朝刊一面によりますと、道は、道道士幌然別湖線のトンネル抗口予定地に隣接する山の斜面の工事を、早ければ27日にも着工するとのことです。


これは、まさに寝耳に水の事態で、この辺り一帯に生息するナキウサギに与える工事の影響を考えると、私たちとしては、心穏やかではいられません。即時に工事を中止されるよう、強く要望致します。


私たちは、この4月から、ナキウサギ保護のためにまず、その生態と実態を知ろうと、主に然別湖周辺で調査を重ねてきました。その中で、今回の工事対象となっている所の上部の森林に、ナキウサギの貯食場所や糞などを確認しています。また、今年9月16日に、工事予定箇所のすぐ上で雄のナキウサギの鳴き声を確認したばかりです。

ですから、もし工事が実行されれば、ここをテリトリーとするナキウサギは、テリトリーを失う恐れがあります。

また、工事によってあたり一帯のナキウサギの生息環境が激変してしまう可能性もあります。


エゾナキウサギとその特殊な生息環境は、北海道の財産であるばかりか、わが国にとっても特別天然記念物に値する貴重な生き物です。


どうか、なし崩し的な工事の積み重ねで、ナキウサギの生息をこれ以上危うくすることは、止めてください。ナキウサギのメッセンジャーとして、心からお願い致します。

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