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 エゾナキウサギは今から3〜4万年前(ヴュルム氷期)にシベリヤ大陸から北海道に渡ってきたと考えられています。この頃は氷河が発達して海面が下がり、大陸と北海道は陸続きになっていたのです。 氷河期が終わった後は、氷が溶けて海水面が上昇し、北海道は再び島になりました。それでもナキウサギは涼しい山岳地帯に生き残ったので「生きた化石」といわれています。

□世界でのナキウサギの分布□
ナキウサギは北アメリカに2種がいて、他はすべてアジア大陸にいます。特にヒマラヤ山脈近くに多くいます。ネパールでは標高2800m以上に生息していますが、チベット高原、ゴビ砂漠などの草原に穴を掘って生息するものもいます。
 キタナキウサギはウラル、シベリア、モンゴル、中国、朝鮮、カムチャツカ半島、サハリンに広がっています。エゾナキウサギはキタナキウサギの1亜種で、北海道だけに生息します。

ウサギ目 ウサギ科
(10属)
アマミノクロウサギ属 (全体で約45種)  
ノウサギ属
他8属
ナキウサギ科
(1属)
ナキウサギ属 キタナキウサギ エゾナキウサギ
(亜種)
他18種  


エゾナキウサギとは?

からだの特徴
  • からだの大きさ:体長15〜18cmで、重さは120〜160g
  • 耳:丸くて短い。(岩の隙間を自由に動き回れるように)
  • 尾:見えません。(短いので体毛にかくれている)
  • 足:短い。前足で物をつかむことはできません。
  • 毛:年2回毛替わりします。夏毛は赤褐色、冬毛は灰褐色から暗褐色。
ねずみでなくウサギである証拠に上あごの前歯(門歯)の裏側にも
歯がついていて歯が二重になっています

生息地
 分布は北海道の中央部に限られていて、北見山地、大雪山系、日高山脈、夕張山地にいます。北限は渚滑岳の少し北で、南限は豊似岳南東の三枚岳、東限は置戸町勝山付近、西限は夕張岳です。
 標高では様似町幌満川流域の標高50mから、大雪山系の白雲岳頂上の2230mに渡りますが、主に山地に分布し、特に1500mから1900mに多くいます

棲んでいる場所
 すみ場所は「露岩帯」とか「ガレ場」といわれる大小の岩が積み重なったところか、その上に森林(アカエゾマツ、エゾマツ、トドマツ、ダケカンバなど)ができているところです。
 ナキウサギは、高温に弱く、12℃前後という低温が好適だといわれています。アメリカナキウサギは標高の低いところで太陽にさらされたままだと6時間で死亡した例もあります。ですから夏に冷たい空気が保たれるガレ場は、エゾナキウサギにとって棲みやすいところなのです。
 また、ガレ場はエゾオコジョ、イイズナ、キタキツネなどの捕食者からの逃げ場所となって、エゾナキウサギを守ってもくれます。

鳴き声
  • 長鳴:キチッ、キチッ、キチッ、と連続して4〜16回強く鳴く鳴き方で雄だけが鳴きます。
  • 短鳴:単音、または不規則な連続音。雌の多くの鳴き声は単音です。
  • 震え声:岩の中へ逃げ込むときなど、尻下がりにヒュルルルル。

日光浴
 風がなくてほどよく暖かいときに、岩の上にじっとして日光浴をします。そのうちにごろんと横になってしまうこともあります。

食べ物
 好きな食べ物はコケモモ、ヒメスゲ、エゾムラサキツツジ、シラネニンジン、イソツツジ、ヒメノガリヤスなどの葉や茎を食べます。イワブクロやチングルマなどの高山植物の花も大好きです。
 「植物なら何でも食べる」といわれるほどいろいろな種類の植物を食べます。コケもよく食べます。

貯食
 9月から10月にかけて、あちこちの岩の下などに草や木、シダ、コケ、キノコなどを運んで貯えます。冬眠しないので、貯食したこれらの植物を食べて冬を越すのです。

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